「シン・ウルトラマン」好評上映中!ウルトラマンが好きなひとりとしての評価・感想
前提として、私は「ウルトラシリーズ」を子供時代に日常的に見てました。加えて庵野監督作品は一通り好きな人です。エヴァンゲリオンもテレビ版から全て見ていて特に後半は訳が分からんと思いつつも何故かはまった一人です。そんな中の人である私の個人的な評価なのでその辺りを前提にして下さい。
今回は少々暴走気味に書いてます。
しかし、広い世代で人気だとは知りませんでした。同じ会社の20代の社員も好きだという話を聞いて。
※初日に観に行ったのに、ブログに掲載は2週間以上経ってからと言う相変わらずのずぼらさよ……。
「シン・ウルトラマン 空想特撮映画」を見ての率直な感想
一言で言うと、良かったです!
初代「ウルトラマン」に対するリスペクトを凄く感じました。どのあたりかは後ほど書くとして大筋は初代ウルトラマンのストーリーに準じていたかと思います。ウルトラマンを見ていたのははるか昔にも関わらず当時のストーリーが次々と蘇ってくるのは私自身の思い入れがあったからなのか、映画のストーリーがいいからなのか……。
円谷特撮時代の着ぐるみをメインとした特撮から現代風へのアレンジが素晴らしい、怪獣が凄くリアル!
しょっぱなの驚きはそこでした。
そこからの展開は、「シン・ゴジラ」でもある現代風にアレンジした展開!
まずは観て損のない映画といえるでしょう。
「シン・ウルトラマン」を観ての評価 ★4.0(5段階評価)
ぶっちゃけた話、★5でもいいかなぁとも思うのですが、少々気になる個所もあるので。
と言っても仕方がない部分なんですけどね。
それも細かいところであちらを立てるとこちらが立たないといったどうしようもない話。
子供の時には単純に「凄え!」と驚けた話も多少大人になると設定をそのまま使うってのはどうかなというものです。
それと★5つを付けたくなる話って見終わった時に「感動したなぁ」とかカタルシスがあるものだと思いますがその点想定内に終わって「まさかこんな風に終わるのか!」といった驚きがなかったことなかな。
でも勝手に改変すると「こんなのウルトラマンの終わり方じゃあない!」ってなるのでそれもできない。
有名な原作ものがある辛さかも知れませんね。
それでも「シン・ゴジラ」を上回るペースの観客動員数と興行収入。いい感じで嬉しいです。
良かった点を書き出してみる
・初代「ウルトラマン」の基本的なストーリーを現代風に踏襲
・怪獣がとにかくリアル。少し前に、ゴジラの50周年ということで円谷プロが「ゴジラ対ヘドラ」のミニ動画を作成していたのを見ました。それはそれでとても嬉しかったのですがやはりもう着ぐるみってのは無理があると痛感しました。
・豪華な俳優陣。主人公の神永新二を演じた斎藤工は人間との融合が当初不十分なところで徐々に理解を深めていったといったところや、メフィラス星人の人間を演じる星人役の山本耕史の演技が好きでした。
・監督が素晴らしい。まあ、庵野監督作品であれば無条件で見なけりゃいけないでしょう。ファンとしては。
アニメ「SHIROBAKO」で庵野監督(風の人。でも明らかに庵野監督)が出たのだって嬉しかった。
・音楽が素晴らしい。主題歌「M八七」はみんな大好き、僕も大好き「米津玄師」さん。
初音ミクのボーカロイドの中の人、ハチの時から好きでした。
・細部にわたる「ウルトラマン」へのリスペクト。この部分は引き継ぐべきか一旦捨て去るかの課題だったと思う訳ですよ。でもカラータイマーは止めたんですよね。この辺りがどうしても議論の余地があるかと思うのです。
ウルトラマンの設定、現実との整合性が難しい
ウルトラマンの設定っていくつもありますよね。
●ベーターカプセルで巨大化。
物語の根幹をなす重要な設定です。
どうして巨大化ができるかというと他の次元から物質召喚的な何かをしているらしいです。
「シン・ウルトラマン」でもそんな感じで説明されていたと思います。
子供の頃の私の認識は、私たち3次元の人間には認識できない次元がすぐ横にあってそこから物質が出たり入ったりと言うものでした。その頃の子供向け(なのかな)不思議解説本にはいわゆる神隠しとかの一部もそれが原因だったりするということも書いてあったものです。
この辺りは私は専門家でも何でもないので、単なるよもやま話として見てほしいのですが、
超ひも理論によると、この世界は10次元又は11次元で構成されているらしいです。
でも、認識できるこの世界は3次元ですよね。+時間で4次元。
他の6次元はどこにあるのかというと、大雑把に言ってこの3次元空間の超ミクロな空間に折りたためられているらしいのです。「カラビ・ヤウ多様体により量子スケールでコンパクト化され、小さなエネルギーでは観測できない」らしいです。(なんのこっちゃ)
●知能指数10000
メフィラス星人の知能指数、実はウルトラマンも知能指数10000。
で知能指数ってのは100を中心とした標準偏差で±15で68%が入る。
でIQ70-130で95%の人が入ります。
もっとも知能指数が高い人は誰かというと私の知っている限りでは
「ジョン・フォン・ノイマン」さん。
今のコンピューターをノイマン式コンピューターと言いますがその原理を考えた方。
あまりの頭の良さに宇宙人と言われ推定知能指数300と言われています。
一般に知能指数30以上離れると会話が成立しないというのでウルトラマンやメフィラス星人と地球人って会話が成立するどころか意思疎通さえできないのではないでしょうか?
人間が太刀打ちできるレベルじゃあないのは確かです。
私が一番引っかかっている設定
初代「ウルトラマン」は、最終話でゼットン(Z-TON)に敗れます。
恐らくウルトラマンシリーズ最強の敵です。
その最大の武器は「1兆度の火の玉」です。
1兆度ですよ! 1兆度!
子供の頃は単純に「すげえ!」で済んだんですが、中学に上がる頃から
「ちょっとインフレが過ぎるんじゃないかい?」
と思うようになりました。
核融合を繰り返している太陽のその表面温度が約6000K(ケルビン)。
鉄が溶ける温度が約1500度。
核兵器は核分裂直後、瞬間的に100万度。爆心地で3000度くらいになるそうです。
(やっぱり核兵器はなくさないとだめですね)
では1兆度ってどんな時に発生しうるのかというと
ビックバン(宇宙開闢)時、極小の状態(10のマイナス34乗cm)急激にから膨張し始めます。
宇宙開闢時の温度が100兆から1000兆K。
1万分の1秒後になると温度は1兆Kまで下がったとのことです。
要するにゼットンの火の玉は宇宙創成から1万分の1の時のエネルギーということです。
こんなのぶっ放されたら、放たれた瞬間にいくつもの銀河を巻き込むレベルではないでしょうか?
初代ウルトラマンでは普通に火の玉として放っていたのですが日本は存在していました。
「シン・ウルトラマン」では超巨大サイズの兵器として現れました。
ゼットンが攻撃すれば星系が吹き飛ぶということでしたが、1兆度という設定はそのまま。
星系が吹き飛ぶレベルではなく、銀河が吹き飛ぶレベルの攻撃でどう考えても明らかな過剰火力。
平和を愛する光の国の住人として許される話ではないのです。
メフィスト星人による人間の巨大化
初代ウルトラマンでもメフィスト星人によって、アキコ隊員は巨大化されましたし、この「シン・ウルトラマン」でも浅見弘子(長澤まさみ)が巨大化しています。
「シン・ウルトラマン」は初代ウルトラマンをリスペクトしているシーンだと思います。
でもここはメフィスト星人が巨大化が如何に世界にとって脅威の技術なのかを表現する場面です。
「だったら『〇撃の巨人』の様に無数の人間、しかも武器ごと巨大化させるくらいした方が良かったんじゃね」ってのがみた直後の感想。現代風にアレンジしていい箇所だと思うんですよね。
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