上映中映画「ナイル殺人事件」の感想・評価と推理小説
2022年2月25日から「ナイル殺人事件」(DEATH ON THE NILE)が上映されています。
累計20億冊もの発行部数を誇るミステリーの女王、「アガサ・クリスティー」の代表作の一つが「ナイルに死す」。
こちらの小説を原作としています。
主人公の名探偵エルキュール・ポアロを演じるのはイギリスが誇るシェイクスピア俳優のケネス・ブラナー。
2017年に上映された「オリエント急行殺人事件」に続いて演じます。
上映当日に見たのにブログに挙げたのは2週間後の3月12日だったりする。
もっと早く挙げないとね。
アガサ・クリスティーの名前は皆さんもご存じでしょう
ミステリーの女王「アガサ・クリスティー」は1920年にデビューして85歳でなくなるまで長編小説66冊、中・短編156作、戯曲15作、その他11作と200作以上の多くの作品を書き上げています。
その中で探偵役は
●エルキュール・ポアロ
●ミス・ジェーン・マープル(ミス マープル)
●パーカー・パイン
●ハーリ・クイン
●バトル警視
●トミーとタペンス
その内、探偵エルキュール・ポアロがでる作品は長編33作品、短編は50作品程。
「アクロイド殺し」「オリエント急行殺人事件」「ABC殺人事件」「ナイルに死す」等々。
どれも推理小説が好きな方は有名な作品ばかりですね。
私はポアロとミス マープル、トミーとタペンスが好きでしたね。
「ナイル殺人事件」のお勧め度は★3.5
推理ドラマというより人間の愛憎劇として描いている感じです。
それを良いと観るか(ポアロとしては)不要なものと観るかで評価が分かれるところでしょう。
私個人としては、ポアロに過度な愛憎劇は求めていないのですが、まあこういったものでも良いかなって感じです。
こんな方にお勧め
・ミステリーが好きな方
・アガサ・クリスティー作品が好きな方
・エルキュール・ポアロ作品が好きな方
・推理ストーリーが好きな方
・愛憎渦巻く物語が好きな方
・ケネス・ブラナーが好きな方
逆に、とっても! クリスティー作品が好きな方、ポアロが好きな方は逆にマイナス評価かも知れません。
冒頭のシーンに?
冒頭、第一次世界大戦に参戦している若きポアロのシーンから始まります。
あれ? こんなシーン原作にあったっけ?
まあ、原作を読んだのは中学生の頃くらいだし覚えていないのはしょうがないか。
でも少しだけ引っかかります。
そこでポアロがあの特徴的な口ひげをした理由が描かれています。
爆発に巻き込まれて口の周りに大きな傷を負います。そこである女性に出会います。
なるほど、ポアロが口ひげをした理由ってそうなんだ~。と思ったりしましたが初めて知った内容でもありました。
実は……。
このくだりはオリジナルストーリーとのこと。
ポアロの心の傷(トラウマ)を描くことで、人間らしさを描きたかったのだと思います。
ポアロの人間らしさを描くことで物語中の愛憎劇を更に盛り上げる。
そんな狙いがあった様に思います。
しかし原作厨でなくても原作好きの方には不満に思うところでもあるようです。
まあ、私は描かれたままを受け入れられたのは推理小説好きだったのがずいぶん前だったからなのですが
不要だという方の意見も凄く分かります。
もし、中学~高校生の頃の自分、
推理小説を読みまくっていた頃の自分だったら全く別の評価だったでしょう。
「エルキュール・ポアロにこんなお涙頂戴のシーンなんていらない!」
ポアロは
「極度の潔癖症で自信家。灰色の脳細胞を武器に推理を進めて行く孤独な小男」
それを変える必要なんてない!
きっとそんな風に評価していたと思います。
当時は再放送か、再々放送か分かりませんが、映画のみならずTVドラマシリーズも深夜で観てましたから
「デビット・スーシェ」のポアロ像のイメージが強いんですよね。
キャスト/スタッフ
ケネス・ブラナー/監督・製作:同時にエルキュール・ポアロを演じています。「ヘンリー五世」「フランケンシュタイン」「ハムレット」「ダンケルク」「マイティ・ソー」今、まさに自伝的作品「ベルファスト」上映直前(3月25日上映開始)
ガル・ガドット/リネット・リッジウェイ役。「ワイルドスピードMAX」、「ワンダーウーマン」など
エマ・マッキー/ジャクリーン・ド・ベルフォール。
トム・ベイトマン/ブーク役
超簡単に推理小説をおさらいしましょうか
推理小説の歴史を超簡単に言うと(wikiでも相当な内容なので)
何人かのキーマンを覚えていればいいかと思います。
あくまでも素人の個人的な見解です。
一、推理小説の最初は「エドガー・アラン・ポー」の短編小説「モルグ街の悪夢」(1841年)と言われる
二、「アーサー・コナン・ドイル」が名探偵の代表と言える「シャーロック・ホームズ」の長編第1作「緋色の研究」を発表(1887年)【名探偵のオリジン】
三、「モーリス・ルブラン」が「アルセーヌ・ルパンの逮捕」を発表【怪盗ものの始まり】
四、ロナルド・ノックスが「ノックスの十戒」を発表(推理小説の基本的なルール。興味がある人は調べて見て下さい)
五、「フーダニット(犯人当て)」の傑作が続出。アガサ・クリスティー、エラリー・クイン(Xの悲劇)ダイイングメッセージとか、ディクスン・カー「三つの棺」など密室モノなどなど
六、ダシール・ハメットが「マルタの鷹」で初登場する「サム・スペード」を創造。酒、アクション、暴力、恋愛といった要素を取り入れる【ハードボイルド小説の誕生】
個人的には「長いお別れ」などで代表されるフィリップ・マーロウを創造したレイモンド・チャンドラーは外せない!
七、エド・マクベインの「87分署シリーズ」(1956年)【警察小説の誕生】
この後は凄く世界が広がっていきます。なんでもありになっていくのでそれだけで本1冊分になりそう。
なので推理小説の歴史はこんな感じかなと思います。
江戸川乱歩は「エドガー・アラン・ポー」からペンネームをとっています。「少年探偵団」シリーズとか横溝正史の金田一耕助シリーズなんてのは日本の代表的なミステリー作家として外せない方々です。
余談ですがアニメ化された推理小説もあるんですよ
名探偵コナンでは殺人がたびたび起きますが、最近の日本独自の推理小説のジャンルに「日常の謎」というシリーズがあります。「日常の謎」では殺人は起きません。
代表作は京アニの製作でアニメ化された米沢穂積の「<古典部>シリーズ」
アニメの題名は【氷菓】。
知反田えるの名言「わたし気になります!」高校生活での日常での不思議を奉太郎が推理する。
他には
初野晴の「<ハルチカ>シリーズ」。
吹奏楽ものと思わせておいて「日常の謎」を穗村千夏(チカ)と上条春太(ハルタ)が解く推理アニメ。
「ユーフォニアム」と同じ系統だと思ったら間違いです。
他に
TVドラマ化された三上延の「ビブリア古書堂の事件手帳」シリーズなど。相当たくさんあります。
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